老人オタクの妄想 :Musician トニー・ウィリアムス

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トニー・ウィリアムスの思い出

 

ジャズファンなら知らない人はいないトニー・ウィリアムスの話

アンソニーの愛称で多くのジャズファンから愛された天才ドラマー

何よりも僅か17歳でマイルス・グループに参入した事で

本場アメリカはもとより世界中から注目される事になったドラマー

である。

彼の偉大な足跡をここで話題にするつもりはありません

それは多くのファンの方がご存じだろうし多くのブログでも紹介され

本当の世界トップクラスのプレーヤーでしたので・・・。

 

個人的な思い出話をしましょうか

それはマイルス時代ではなく、あのV・S・O・P時期の話です。

ハービー・ハンコックロン・カーターウェイン・ショーター

そしてフレディ・ハバードという最強で屈指とも言える編成で 

来日した時の出来事です。

私はV・S・O・P来日コンサートのスポンサー企業の繋がりで

楽屋へ彼らを尋ねに行けることが出来たのです。

ファンなら飛び上がるほど嬉しい状況でしょうね

当時の私も若く、見てくれも長髪でいかにもバンドマンそのもの。

彼等も一瞬で音楽関係者と察したようで気安く話しかけてきました

(ハンコックとは過去に某所で出会い、しばし会話をした経緯があった)

笑顔のハービーには救われた心持ちでしたが、それでもドキドキです。

その時に突然、アンソニーが声をかけてきました。

私もその時に初めて聞いたアンソニーの声です

で、アンソニーは私に何を言ったか・・・・

 

「ヘイッ! お前、ミュージシャンだろ?

ならば『女』知ってるだろ、今夜誰か紹介しろよ!」

 

ザックリ言えばこんな感じ

 

「は??」ってのが私の頭の中身状態

イヤ、いきなり初対面で言う話題が? ちょっとオカシイよね

ていうかトニー・ウィリアムスってこんな奴?

 

しかし向かいには澄ました顔したロン・カーター

その横で難しい顔してウェイン・ショーターが・・・

あの時の私はどんな顔してたんだろ?

その辺のミュージシャンなら「お前何言ってんの?」って

言ってる筈。とはいえ相手は世界のトニー・ウィリアムス

 

「あぁ、ぁ OK!・・誰か紹介するよ(半泣き&笑顔)」

うわぁ~言っちゃったよオレ、どうすんだ~?

 

てな事で、そこから大慌てで友人やらミュージシャン仲間に

連絡しまくり、焦りまくりタイム。

ところがものの15分程度で一人のバンドマンが

それやったら「あいつ」がええんちゃうか?って言ってきた。

その「あいつ」ってのが当時ダンサーだった「K子ちゃん」

ダンサーといっても若い人は知らないかもしれないが

当時は色々な店でバンド以外にもダンサーを抱えてる事があって

その後に流行ったディスコ等の「お立ち台(一人用)」のような

セットがあったりステージ横で踊ったりするお仕事ね、いわゆる

「ゴーゴーガール」って呼ばれてる女の子が結構いたわけ。

「ゴーゴーガール」っていうぐらいだからバンドの方も

当然、ロック・バンドがメインのお店が殆ど

また衣装も小さいビキニなのでそれなりに過激なもんで

そんな子を下から見上げる為におっさん客もゾロゾロと。

 

で、その「K子ちゃん」ってのが候補に上がった理由が

言い方は悪いが「(誰でも)サセ子ちゃん」な子で通っている子

決してその子を見下して言ってる訳でもないんですよ、決してね。

普通は男子がムラムラして欲求が出てくるもんだが

K子は自分がヤリたくなったら男に声をかけてくる奴で

殆どの周辺バンドマンは誘われたんじゃないかな(棒読み

 

日頃、体を激しく動かしているダンサーだからそれなりに

スタイルは悪くない・・・・・・が、

問題の顔が・・・顔だ。!(^^)!  ぃやホント

 

しかしK子にしても選ぶ権利がある(かな?)

また相手は初めての黒人でもある

「あいつ嫌がるかな~?」って頭をよぎる

に、しても時間が無い。他に候補が浮かばない

そんな無茶を受ける奴なんかいるのか、今日の今日だぞ。

 

何だかんだでK子ちゃんには小一時間後に連絡が付き

大まかな交渉してみれば速攻で「OK!」って言うじゃない

「え?黒人やぞ、今夜やで、ホンマにええんか?」

「全然かまへんで、楽しそうやん」

負けました、さすが「サセ・・」 ぃや。

 

V・S・O・P公演終了時間に合わせて関係者通路まで

サセ・・K子ちゃんに来てもらいました

いよいよトニー・ウィリアムスと初顔合わせです

(アンソニー、何言いよるかな?怒るんちゃうか?)

(K子、やっぱりイヤやって言わへんかな?)

 

で、初対面~!!

K子 :(ニコニコ)

アンソニーOh‼ very f@f8m //・、・・

 

意気投合感いっぱいで何処かに行きました  マジか

 

 

確か4~5日後だったか、バンドメンバーと共に

街中を歩いてたらバッタリとK子に遭遇。

「オ~ッ、この前はありがとな、どうやった?(笑み堪え)

K子「あいつ凄かってんで~!(結構、機嫌よさそう)

「どう凄いんや?」

K子「・・・う~ん、朝までゴリラや!

 

それから以降、我々界隈で意味不明ぎみな

「あさまでゴリラ」という言葉が流行りました。

 

アンソニーを聴く度に思い出すフレーズになってしもた